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井の頭公園は魔の森だ。
天気の良い休みの日、井の頭公園でビールを飲みながらベンチで読書をすることがある。
気に入っているのは、いせやの横の階段を下ったところにある橋の前を右折し、
池に沿って少し進んだところにある4つ連なったベンチだ。
そこだけは手すりが設置されておらず直に池と面した石畳のスペースで、
この時期になると春のあたたかな風と、風に揺れさやさやと心地よい音を奏でる柳の木、
その柳の葉の隙間をすかして池向こうに輝く西日が実に情緒ある景色を形作る。
時折、池のカモが餌探しのため脇の土手からペタペタと上陸し、
その愛らしい様子を目を丸くしてジッと観察する子供たちもまたボクの心をなごませる。
そんなまことにのどかな景色を楽しみながら、小一時間ほどのんびりと愛する本を読む。
ビール缶が空になり、西日も弱まってくる、そろそろ帰るか、と顔をあげる。
すると周りはカップルにすっかり染められている。
子供はもういない。西日はもう完全に沈んでしまった。
後に残ったのはただカップルのギラギラと鈍く光る欲情のみである。
こないだなどは危なかった。
4つ連なるベンチのうち、右から2つ目のベンチに座り、2時間ほど耽読した。
帰ろうとすると両隣のベンチはすでにカップルの愛の巣と成り果て、異臭をまき散らしている。
ここまではすでになれっこだ。毎夜死霊に襲われるガッツ並に落ち着いて対応できる。
ふむ、そろそろ潮時だな、と辺りを見回すと、
散歩道を挟んだ先のベンチが陥落し、若い男女によるネトネトとした絡みが展開されている。
はて、おかしい。そこはたしかいつも難しげな顔をして本を読んでいる白髪の老人がいたはずだ。
あの老人はどこにいったのか。
不思議に思っていると、1組のカップルが散歩道から逸れてこちらに寄ってくる。
戸惑う間もなく、ボクの座るベンチの前に寄り添いながらしゃがみこみ、鯉に餌をやり始めた。
2人の背中に浮き上がる、欲情の陰。
一筋の汗が頬を伝う。
囲まれている。
左右どころか、四方をカップルに取り囲まれている。
慌てて周囲を見やうと、散歩道を歩くのは専らカップルの群れのみだ。
カップル、恋人、アベック、デュオ、新婚さんの百鬼夜行。
動悸が激しくなる。喉が渇く。
鯉に餌をあげながら甘栗色の髪をなびかせた彼女のほうが「パクパクいってるー」などと
なにやら卑猥なことを口走っている。
何をする気だ、公共の面前で何をする気だ。
とすると、彼らの餌につられたのであろう、慣れ親しんだカモらしき鳥が向こうからやって来るのが見える。
ああ、ボクの世界!昼の世界!キミだけがボクの味方!
すっかり暗くなった闇からその白く愛らしい姿を現す。
2羽。
思わずベンチから崩れ落ちそうになる。
思えば後ろのベンチに座っていた老人は奴らに咬まれたのだ。そうに違いない。
そして一組のカップルに成り果てた。なんということだろう。
ここまで追いつめられるともう手の打ちようがない。
どれもこれもカップルに見える。
あいつらもカップル、あいつらも恋人、あっちにJK、こっちに熟年、
男2人、それはゲイだ騙されるな、おい、その道具を一体どう使うつもりだ!
闇夜に蔓延る乱交、獣姦(SM込み)、近親相姦、なんでもござれ、ようこそ、ここは煉獄地獄。
…
あの魔の者どもはいったいどこから湧いてくるのだろう。
井の頭公園のボートに乗ると別れるというジンクスがあるが、あれは別れたカップルの亡霊なのではないか。
吉祥寺のサンロードの5倍、いやそれ以上のカップル数である。そうでないと説明がつかない。
成仏できず、夜になると墓場の土から這い出て、夜な夜な野外ステージでスリラーを踊っているのではないか。
そしていつしか井の頭公園を恋愛亡霊の一大拠点とせんとする野望を標榜しているのではないか。
実現した暁には、池の色をローションにし、鯉の鱗をハート型、アヒルボートの目は少女漫画風にするつもりなのだ。
橋はヴァージンロード風に改築され、建物はすべてラブホテル風に仕上げられ、旅館和歌水はリニューアルする。
黒光りした幹の木々に茂る葉は肉感豊かなピンク色、道に転がる小石には回転式のOn/Offスイッチがついている。
そして満月の夜にもなると野外ステージに集まり全員全裸でスリラーを踊るのだ。
井の頭公園は魔の森だ。
天気の良い休みの日、井の頭公園でビールを飲みながらベンチで読書をすることがある。
気に入っているのは、いせやの横の階段を下ったところにある橋の前を右折し、
池に沿って少し進んだところにある4つ連なったベンチだ。
そこだけは手すりが設置されておらず直に池と面した石畳のスペースで、
この時期になると春のあたたかな風と、風に揺れさやさやと心地よい音を奏でる柳の木、
その柳の葉の隙間をすかして池向こうに輝く西日が実に情緒ある景色を形作る。
時折、池のカモが餌探しのため脇の土手からペタペタと上陸し、
その愛らしい様子を目を丸くしてジッと観察する子供たちもまたボクの心をなごませる。
そんなまことにのどかな景色を楽しみながら、小一時間ほどのんびりと愛する本を読む。
ビール缶が空になり、西日も弱まってくる、そろそろ帰るか、と顔をあげる。
すると周りはカップルにすっかり染められている。
子供はもういない。西日はもう完全に沈んでしまった。
後に残ったのはただカップルのギラギラと鈍く光る欲情のみである。
こないだなどは危なかった。
4つ連なるベンチのうち、右から2つ目のベンチに座り、2時間ほど耽読した。
帰ろうとすると両隣のベンチはすでにカップルの愛の巣と成り果て、異臭をまき散らしている。
ここまではすでになれっこだ。毎夜死霊に襲われるガッツ並に落ち着いて対応できる。
ふむ、そろそろ潮時だな、と辺りを見回すと、
散歩道を挟んだ先のベンチが陥落し、若い男女によるネトネトとした絡みが展開されている。
はて、おかしい。そこはたしかいつも難しげな顔をして本を読んでいる白髪の老人がいたはずだ。
あの老人はどこにいったのか。
不思議に思っていると、1組のカップルが散歩道から逸れてこちらに寄ってくる。
戸惑う間もなく、ボクの座るベンチの前に寄り添いながらしゃがみこみ、鯉に餌をやり始めた。
2人の背中に浮き上がる、欲情の陰。
一筋の汗が頬を伝う。
囲まれている。
左右どころか、四方をカップルに取り囲まれている。
慌てて周囲を見やうと、散歩道を歩くのは専らカップルの群れのみだ。
カップル、恋人、アベック、デュオ、新婚さんの百鬼夜行。
動悸が激しくなる。喉が渇く。
鯉に餌をあげながら甘栗色の髪をなびかせた彼女のほうが「パクパクいってるー」などと
なにやら卑猥なことを口走っている。
何をする気だ、公共の面前で何をする気だ。
とすると、彼らの餌につられたのであろう、慣れ親しんだカモらしき鳥が向こうからやって来るのが見える。
ああ、ボクの世界!昼の世界!キミだけがボクの味方!
すっかり暗くなった闇からその白く愛らしい姿を現す。
2羽。
思わずベンチから崩れ落ちそうになる。
思えば後ろのベンチに座っていた老人は奴らに咬まれたのだ。そうに違いない。
そして一組のカップルに成り果てた。なんということだろう。
ここまで追いつめられるともう手の打ちようがない。
どれもこれもカップルに見える。
あいつらもカップル、あいつらも恋人、あっちにJK、こっちに熟年、
男2人、それはゲイだ騙されるな、おい、その道具を一体どう使うつもりだ!
闇夜に蔓延る乱交、獣姦(SM込み)、近親相姦、なんでもござれ、ようこそ、ここは煉獄地獄。
…
あの魔の者どもはいったいどこから湧いてくるのだろう。
井の頭公園のボートに乗ると別れるというジンクスがあるが、あれは別れたカップルの亡霊なのではないか。
吉祥寺のサンロードの5倍、いやそれ以上のカップル数である。そうでないと説明がつかない。
成仏できず、夜になると墓場の土から這い出て、夜な夜な野外ステージでスリラーを踊っているのではないか。
そしていつしか井の頭公園を恋愛亡霊の一大拠点とせんとする野望を標榜しているのではないか。
実現した暁には、池の色をローションにし、鯉の鱗をハート型、アヒルボートの目は少女漫画風にするつもりなのだ。
橋はヴァージンロード風に改築され、建物はすべてラブホテル風に仕上げられ、旅館和歌水はリニューアルする。
黒光りした幹の木々に茂る葉は肉感豊かなピンク色、道に転がる小石には回転式のOn/Offスイッチがついている。
そして満月の夜にもなると野外ステージに集まり全員全裸でスリラーを踊るのだ。
井の頭公園は魔の森だ。
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ボクのHNの「ぺ」が実はカタカナなのかも知れぬ、などとは微塵も疑わず、当然のようにひらがなと思いこんでしまって果たして大丈夫なのでしょうか。
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